空島の商人
ゲーム概要
海一面の惑星「アクエリアス」に浮かぶ空島。
反重力エネルギーを生み出す飛行石を使った乗り物を操り、空島と空島の交易は栄えた。
このゲームはそんな空島における大交易時代のお話。
ゲーム情報
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:45分
対象年齢:10歳以上
ルール
Q&A
Q 同じタイルに商館と塔、港を同時に建てることはできますか。
A はい、できます。
Q 塔付きの商館に港を建てることはできますか。
A はい、できます。
世界観

遠い遠い銀河の片隅に、海で一面を覆われた惑星『アクエリアス』がありました。
『アクエリアス』には大小3000の空島が空に浮かんでいました。
空島は飛行石と呼ばれる青い鉱石の力で、海面から約300mの高さに浮かんでいました。
人々は反重力エネルギーを生みだす飛行石を使って、太古の昔から空島の間を行き来しました。
この時代、飛行石を使った飛行船を操り、主に取引されたのは飛行石、ワイン、布でした。
飛行石は島の沿岸部で露頭しているものを採取しています。取りすぎは空島の落下を招くからです。
ワインは水の少ない空島において貴重な水分であると共に、大事な栄養源です。
子ども向けのアルコール度の低いワインもよく飲まれています。
布は船の帆に使う厚手の帆布や、綺麗な薄手の布など多種多様な布が取引されました。
それぞれの資源を専門に扱う飛行船乗りが存在したため、その飛行船乗りとうまく取引きした商人たちが島の商圏を掴んでいきました。
島には色とりどりの家が建ち並びましたが、高さ100mほどの塔は島にひとつしか建てられないという決まりがありました。
塔は隣の島からも視認できて、島で唯一の存在である塔を建てることは商人にとって最高のステータスでした。
その塔のてっぺんには鐘が設置され、正確な時刻を告げていました。
この鐘の音はそれぞれオーナーの家系で代々受け継がれていて、鐘の音を絶やさず拡大していくことがこの世界の商人の夢。
島ごとにバラバラな鐘の色は、時折、隣の島の鐘の音が風にのって聞こえてきました。
ゆるゆるボドゲバカさん(@yuruyurubgbk)による説明マンガ

動画
クレジット
ゲームデザイン:佐藤敏樹
アートワーク:たかみまこと
校閲・校正:西田誠
英語訳:サイゴウ
スペシャルサンクス:長谷川登鯉、佐藤英瑠
発表:2024年4月27日
他サイトの情報
ゲームマーケット:https://gamemarket.jp/game/182907
ボドゲ―マ:https://bodoge.hoobby.net/games/marchants-sky-isla…
BGG:https://boardgamegeek.com/boardgame/418384/merchan…
参考ゲーム
カルカソンヌ
カタンの開拓者
デザイナーズノート
今回の開発も多くの方々のお力添えで作り切ることができました。この場を借りてお礼を申し上げます。
2022年11月に時を戻しましょう。。。
2022年11月 開発のとっかかり
Twitterで三角形のタイルを使ったゲームを見かけました。特徴的なタイルを使ったゲームを作ったら面白いかも。と思いつき、早速モックを作ってみました。1つの点に三角形が6個集まってタイル配置が出来たら、街の完成ということで点が入るみたいなゲームを作り、一人テストプレイしてみました
が、街ができるまでに最低6手番が必要で、ゲームのテンポがとても遅いものでした。テンポをよくするためにはどうしたら良いのかと考えたときに、六角形のタイルなら良いのではないかと思いつき、六角形のタイルを使ったゲームの開発を進めました。
2022年12月 テーマの選定
六角形タイルに海と陸を描いたら、それを組み合わせるだけでゲームとして面白くなりました。最初は『ネオアトラス』のように地図を作っていき、新種の産物などを見つけるゲームにしようと思ったのですが、大陸を作るとなると自ずと陸地が増えて、見た目が悪い。海の部分を増やしたら島が多くできたので、海に浮かぶ島をテーマにしようと決め『ラピタ人の航海』という仮称をつけました。ラピタ人というのは古代ポリネシア地方に住んでいた民族で、新しい島を求めて航海を繰り返した種族です。ディズニー映画の『モアナと伝説の海』に近い世界観です。
2023年1月 システムの根幹
ちょうど良いバランスを求めて、何度もタイルを作り直しました。陸地が多いと島が大きくなって完成しない。海が多いとこじんまりとした島だらけになってしまう。試行錯誤を繰り返して、タイルの構成を決め、それと同時に資源を集めて、建築して、エリアマジョリティを取るという根幹のゲームシステムを考えました。
2023年2月 オープンテストプレイの開始
資源の違いを色でしか表さないことから、カラーユニバーサルデザインを考慮して、資源は赤青白の3色と決めていました。『ラピタ人の航海』というテーマに沿って考えたとき、青は魚、赤は土器、白はタロイモという感じに考えてましたが、いまいちピンときていませんでした。また、出番の最初に資源が手に入れられるバージョンアップのことを工場化と呼んでいたのですが、それもピンときていませんでした。
テーマはともかく、この頃から身内以外の方とのテストプレイを増やしていきました。
とくにフランスでパリからカンヌ行きの列車の中で高見さんやCocktail Games のメンバーとのテストプレイしたのは印象的でした。つたない英語でのインストでも楽しんでもらえたのが嬉しかったです。高見さんにも気に入ってもらえ、高見さんにはこのゲームのアートワークをお願いすることにしました。
2023年5月 テーマの変更
長谷川登鯉さんと「ならんで!鳥獣戯画」の打ち合わせをした際に、「いま、こんなの作ってるんですよ」とラピタ人の航海の相談を持ち掛けたら、「空島ってどうですか?ワクワクしませんか?」とコメントをもらいました。
すぐさま高見さんに連絡したところ、「空島の方が楽しい」ということになり、空島での交易をテーマにしました。
空島をテーマにしたことで、しっくりこなかった工場を港に変え、魚は飛行石に、土器はワインに、タロイモは布に変更しました。
テーマを変えたことですべてがまとまりました。
2023年6月 ディベロップメント
テーマもシステムもほとんどできていたのですが、もう一押し欲しいと思っていました。
具体的には商館と港以外に、もう一つ建物が欲しいと考え続けていました。
また、エリアマジョリティなので後手番が有利というのが気にかかっていました。
その両方を解決する方法として、島に一つしか建設できない「塔」を思いつきました。
「塔」は早い者勝ち(先手有利)なので、エリアマジョリティの後手番有利の対策になりますし、見た目も特徴的で良いアイディアだったと思います。
2023年11月 校正・校閲
今回も安心のマコトニシダさんにお願いしました。
2023年12月 最後のあがき
テストプレイをしているとき、資源を6個持ち越して一気に3軒の建物を建てて勝つという光景を何度か見ました。
建物を一気に建てることは気持ちよさにもつながるので、このルールにメスを入れるかかなり迷いました。いつもテストプレイに付き合ってもらっている長男とも相談し、最終的には持ち越せる資源を6個から3個に減らしました。
何を捨てるかという悩ましさが増えるので、最後の最後でしたが、良い変更だったと思います。
2024年1月 入稿
印刷は台湾の印刷所にお願いしました。今回もなんとか春節前に入稿することができました。
2024年2月 説明書の英語訳
今回も英語訳はサイゴウさんにお願いしました。
2024年3月 印刷完了
ゲムマの1か月前に商品ができたので、動画撮影や試遊会などに余裕をもって対応することができました。
動画はショート動画(高島さん、せとさん)、プロモーションビデオ(ひみつりさん)、遊び風景の動画(ゆぶねさん)、プレイ動画(ボドゲ家族さん)とたくさんの種類を作ってもらいました。
このゲームを作るために、1年半の年月を要しました。そして数えきれない方々のご支援をいただき、完成することができました。
このゲームに関わっていただきた、すべてのみなさまにこの場を借りてお礼を申し上げます。
これからも楽しいゲームを作り続けていきます。