ルネッサンスの胎動

ゲーム概要

ルネッサンスのイタリアを舞台にしたエリアマジョリティのボードゲームです。
決算ごとに強さの変わるコマと、決算タイミングをプレイヤーがコントロールできるというのが特徴です。
お試し版という位置づけで2006年に頒布いたしました。正式版は未発表です。

ゲーム情報

  • プレイ人数:3~4歳
  • プレイ時間:30~45分
  • 対象年齢:10歳以上

クレジット

  • ゲーム原案:白紙
  • ゲームディベロップ:偽、佐藤敏樹
  • 発表年:2006年3月(ゲームマーケット2006)

デザイナーズノート

このゲームは「決算タイミングをプレイヤーに委ねるようなゲームにしたい」「ルネッサンスを舞台にしたゲームにしたい」という白紙さんのコンセプトからスタートしました。

半年間のブレーンストーミングと半年のテストプレイを経て、ようやくここまで形になりました。

2005年4月

りんちゅさんがwebに掲載したこんな一言が「るねったい」の発端でした。

「おもちゃ箱全体で1つ、ないし2つのゲームを作ることは可能か。

(正直難しいところはあるんだなぁ。。。ウチのメンバーは皆が皆モノを作りたい人だからなぁ。。。)」

2005年5月

白紙さんからひとつのゲーム原案がおもちゃ箱メーリングリストに流れました。
ゲームのコンセプトは「終了タイミングをプレイヤーにゆだねるゲームにしたい」「ルネッサンスを舞台にしたい」というものでした。

それは荒削りでしたが、磨けば面白くなる。
そんな予感がするゲームでした。

イタリアの各地にコマを配置していく陣取りゲームで、その地域で1位のプレイヤーは決められた勝利点を獲得し、2位はその地域に配置されたコマの数だけ勝利点を獲得、最下位のプレイヤーは特殊能力を発揮するというルールになっていました。

しかし、そのままではゲームのバランスをとるのが難しく、まずは決算タイミングについて論議を進めていきました。

2005年6月

イタリアの白地図に色をつけ、ボードのイメージを作りました。
この頃のボードはイタリアが8つくらいの地域に分割されていました。
この頃メール上で熱い議論が交わされていたのですが、それはここでは割愛します。

2005年7月~9月

おもちゃ箱のメンバは飽きっぽいのか、それとも他のことで忙しいのか。
夏休みあたりを境に「ルネったい」の検討がぴたりと止まりました。

で、こういうときに活躍するのが偽さんです。

きっちりとした性格の偽さんは「今までの議論をまとめてみよう」と前向きな発言で、くじけそうになるメンバの心を牽引していってくれました。

2005年10月

「そろそろ動かしてみたいね」という言葉を受け、「エイヤー」とさとーがコンポーネント化しました。

このコンポーネント化の際に、私の影響が色濃く現れたようで、トロイホースさんでテストプレイをした際に「朝まで総選挙の続編ですか」と言われました・・・。

イタリアを4つの地域に分けたり、個別決算と全体決算の両方を設けたり、時代により商人と軍人コマの影響力を変えるなどのシステムを盛り込みました。

ルネッサンスの胎動という名前をつけたのもこの頃です。ちょうど「Zの鼓動」という映画がやっていて、それに影響を受け、「胎動」という言葉を使ってみました。

2005年11月

テーブルゲームフェスティバルでテストプレイ版を一般公開しました。

いろいろな方に遊んでいただき、さまざまな意見をいただきました。

一番うれしかったのはA葉さんにメディチ家にちなんだ本を紹介してもらえたことです。

この本によりこの時代のイメージがだいぶわきました。
A葉さんに感謝です。

カワサキさんに「ルネったい」という略称をつけてもらったのもこの頃です。以後、「ルネったい」は正式略称になりました。

2005年12月

ルールブック第1版が完成しました。

ルールブックの校正をおもちゃ箱メンバに依頼したところ「ゲームの流れを示したフローチャートとプレイ例を1ページ以上入れろ」とせりあどさんにダメ出しをされ、心くじけました。

結果、ルールブックの改版が1ヶ月以上放置されました。

でも、その間もテストプレイは続きます・・・。

2006年1月

murakamiさん宅でテストプレイ。

で、その場でmurakamiさんから「僕のゲームだったら。僕のだったらイベントカードを各地域の山札に入れないね」と言われ悩む。

ずっと気になっていたところを指摘されたため、素直に修正しました。大きな修正だけに、修正すべきかどうか2日間悩みました。

2006年2月

発注から約10日ほどでドイツの業者からコマが届きました。
しかし「黄色い八角柱だけ遅れる。ごめん」というメールも一緒に届きました。

どきどきしながら黄色い八角柱が届くのを待ちました。

2006年3月

梱包作業開始。と同時に青ざめました。
「コマが足りない・・・」

注文したときの計算書を見て納得。
48個作る予定だったところを、32個と計算してました・・・。

近くにmoonさんがお住まいであることに気づき、コンタクトをとる。
コマを売っていただくことを快諾していただきました。

ホントありがとうございました。

こうして多くの方に支えられて「ルネったい」は誕生しました。
支えてくださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。

エルスミーアの期末試験

ストーリー

ここはエルスミーア魔法学校中等科2年3組。
冬休みボケが抜けきらない生徒たちに先生から課題が言い渡されました。

「1月の期末試験ではみなさんに魔法のアイテムを作ってもらうことにしました。
山や湖を駆け巡ってエレメントを集め、素晴らしいアイテムを作ってきてください。
早く作ってきた人、質の高いアイテムを作った人には高い評価を与えます」

作ってくることになったアイテムは「金のどんぐり」「女神の涙」「光の宝珠」「賢者の石」の4つです。
一番高い評価を得られる生徒は誰でしょうか

ゲーム概要

目の構成が異なるダイスを複数振り、特定の目を材料に換え、その材料を元にアイテムを作っていくゲームです。

ゲーム情報

  • プレイ人数:3~4人
  • プレイ時間:30分
  • 対象年齢:10歳以上

クレジット

  • ゲームデザイン:佐藤敏樹
  • ボードアートワーク:ARI
  • 発表年:2006年3月(ゲームマーケット2006)

デザイナーズノート

ナクトさんが作られた『エルスミーアの魔女』というゲームから、アイテム生成のシステムを拝借しました。

同じ目が2つ、4つ(つまりちょうど対)になると、効果を打ち消しあって材料が取れなくなる(バースト)というシステムです。

簡単なルールで緊張感が生まれるいいシステムだと思います。

朝まで大統領選挙

ゲーム概要

『朝まで総選挙』の続編です。
2人1組となって赤と青の陣営に別れ、大統領選を戦っていきます。

ゲーム情報

  • プレイ人数:4人
  • プレイ時間:
  • 対象年齢:

クレジット

  • ゲームデザイン:佐藤敏樹
  • アートワーク:佐藤朗
  • 発表年:2006年3月(ゲームマーケット2006)

デザイナーズノート

このゲームが産声を上げたのは2005年9月の上旬のことでした。

ゲームの産声

おかげさまで『朝まで総選挙』は好評をいただいたので、これのブラッシュアップ版を作ろうと思っていました。

「北海道」などの地名を英語にして、グローバル化を図ろうと考えていたときに、「やるならアメリカを舞台にしてグローバル化すれば良いじゃん」という安易な発想で、『朝まで大統領選挙』は産まれました。

会社に行く途中に長いトンネルがあり、その中を歩いている途中でひらめきました。
歩きながらモノを考えるというのはとても良いことです。

アメリカの大統領選挙はTVで見たことがありますが、システムが良くわかっていませんでした。
そこでネット等で調べて浮かび上がってきたのが

① 2大政党であること(それくらい知ってましたが)、
② 予備選挙と本選挙があること、
③ 選挙人が間接的に投票すること、
④ 勝者独占方式であること、などでした。

こうした要素をゲームらしく、デフォルメしてルール化しました。

基本的なシステムは朝まで総選挙を踏襲することに決めていましたが、ルール化よりも前にゲームボードを埋め尽くす赤と青のコマが一瞬にして頭の中に浮かびました。

このイメージができれば、ゲームはできたようなものです。

まず最初に取り掛かったのが、選挙人の数を調べることでした。
2004年の選挙人の数を調べ、それを各州にプロットしていきました。

そしてその後悩んだのが、アメリカをどう分割するかということです。
日本なら適切な分割方法がすぐにわかったのですが、アメリカはよくわかりません。

そこでアメリカで暮らした経験のあるpuppiさんに相談したところ、「本土には4つのタイムゾーン(標準時帯)がある」ということを教わりました。

それをさらに南北に分け、僕が目指すゲームに適した8つの地域を作りました。
アメリカの人口の格差にびっくりしました。

ちなみにニューヨークはゲームにならないほどの人口を抱えています。
(ゲームではバランスをとるために人口比率を変えています)

準備期間

初めてのテストプレイは中学からの友人宅で行いました。
2005年9月25日のことでした。

普段はゲームをしない友人ですが、その友人が楽しそうに遊んでくれました。

この友人には『朝まで総選挙』も遊んでもらっており、「あれより面白い」という感想を聞けたので、かなり自信をもってブラッシュアップに努めることができました。

その後、藤沢ボードゲーム塾、puppiさん宅ゲーム会、テーブルゲームフェスティバル、袋小路、かわぼげなどでテストプレイを重ねていきました。

ご協力をいただいた皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。

特にマスのバランスについてアドバイスを下さったpuppiさんや、カードドラフトのアイデアを下さった猪月さんには重ねてお礼を申し上げます。

今回はゲームシステムは前作の踏襲ですので、ゲームシステム以外の部分でお客様への満足度を上げたいと考えておりました。
そのひとつが木のコマの採用です。

木のコマはspiel materialというドイツのメーカから取り寄せました。

メールで注文したところ、「お前は日本人として2人目の顧客だ」って驚かれました。
ちなみに1人目はmoonさんです。

その後メールのやり取りを何度か行い、手元に届いたのが2月の初旬でした。
メールだけのやり取りでしたので、手元に届くまでドキドキでした。

『朝まで総選挙』ではプラスチックのコマを使っていたのですが、プラスチックのコマと比べて3倍以上のコストがかかります。

木のコマが48個入って1500円というお買い得感をご提供できれば幸いです。

プロの仕事

ボードゲームに重要な要素は数多くありますが、どうしてもはずせない要素がボード/カードデザインです。

どんなに素晴らしいシステムでもボードデザインがいい加減だとプレイアビリティを下げますし、ボードデザインが素人っぽいとなんか物足りなさが出てきます。

今回の「朝まで大統領選挙」のボード/カードデザインは友人のpuppiさんにお願いしました。
「片手間でいいですよ」とお願いしたのですが、あがってきたデザインを見てびっくりしました。

やはりプロの仕事は違います。 puppiさんにはこの場を借りてお礼を申し上げます。