みんなでいただきマウス
 
ストーリー
プレイヤーはネズミの家族となり、目の前に並んだごちそうを取り合います。
食べ物をとりすぎてしまうと、他のネズミたちにお裾分けをしなければなりません。
食べ物を一番多く獲得できるのはどのネズミでしょうか。
ゲーム情報
- プレイ人数:2~5人
- プレイ時間:20分
- 対象年齢:8歳以上
- ゲムマ価格:1,500円(税込)
- ショップ価格:1,800円(税抜)
クレジット
- ゲームデザイン:佐藤敏樹
- アートワーク:たかみまこと
- 校正:矢沢賢太郎さん、かゆかゆさん
- スぺシャルサンクス:リゴレの店長、ナスケンさん、メイジーさん、太陽皇子さん、Regulus Channelさん
- 発表年:2021年4月
動画(まさてるさん制作)
ルール紹介マンガ(ゆるゆるボドゲバカさん制作)
 
ルール
みんなでいただきマウス 日本語ルール試遊環境(ユドナリウム)
ユドナリウムを使って『みんなでいただきマウス』の試遊をオンラインですることができます。
【遊び方】
- みんなでいただきマウスのzipをPC等にダウンロードする。
- ユドナリウム(https://udonarium.app/ )にアクセスする。
- ユドナリウム上のメニューから「ZIP読込」を選択し、ダウンロードした他サイトの情報
- ボドゲーマ https://bodoge.hoobby.net/games/dont-squeak-with-y…
- ボードゲームギーク https://boardgamegeek.com/boardgame/334918/dont-sq…
 参考ゲーム- グラシアス
 デザイナーズノートこのゲームを作ろうとしたきっかけは「ありがとうと言うゲームを作ろう」と思ったことでした。 きっかけ2005年にラベンスバーガーから発売された『グラシアス』というゲームがまさに「ありがとう」と言うゲームでした。 
 『グラシアス』ではいらないカードを他の人に押し付けるのですが、もらった人はどんなカードをもらったとしても「グラシアス(ありがとうのスペイン語)」と言わなければならないゲームです。
 発売からかなり時間が経ってますし、テーマもあまり好きではなかったので、2016年7月にラベンスに「リメイクをさせてほしいです」ってメールを送りました。
 すると、「ゲームの審査は他の部署に任せているから、リメイクの相談もそっちにしてほしい」と回答をもらいました。
 審査を受けるためにはお金を払う必要があるのですが、その分、フィードバックもきちんとしてくれるということでした。
 ただ、時間とお金がかかることが分かったので、違うテーマとルールを考えようと思いました。
 テーマ選定『グラシアス』というゲームは、ネズミみたいだけどよくわからない動物が出てくる、テーマがよくわからないゲームでした。 
 「もらってうれしいものと言えば?」とアイディアを出しているうちに思い付いたのは「お金」でした。
 お金をもらえばうれしいから「ありがとう」というのは当然です。
 では、「お金をもらったり、渡したりするのは誰だ?」と考えたときに出てきたのが政治家でした。
 政治家が政治献金をもらう感じです。
 そこから、ドル、ユーロ、円、ポンドなどの各国の通貨ごとにお金を集め、最もお金を集めたプレイヤーが勝ちというゲームにしました。
 ただ、それだけだとつまらないので通貨ごとに2位になったら各国から助成金が入るルールを作り、1位ではなく2位狙いにするゲーム性を付け加えました。
 テーマが異なればルールも当然変わってきます。
 だんだん『グラシアス』からは遠ざかっていきました。
 足りないピースを探してルールの根幹はできて、何度かテストプレイも行ったのですが、ゲームとしてはもうひとひねりが欲しいところでした。 
 そこで政治につきもののお色気要素を付け加えることにしました。
 政治からお色気のアイディアが出てくるところは「フンタ」によるところが大きかったと思います。
 「フンタ」で何度も愛人宅で激写されましたので……。
 お金にハートマークを付け、ハートマークを一番多く集めていたプレイヤーは、いくら2位になっても助成金を受け取れないようにしました。
 ハートを付けただけでお色気を連想できるのは、ボードゲーマーの発想の豊かさに起因するものと思われます。
 お色気要素の拡大ハートマークを一番多く持っていたプレイヤーのペナルティをもっと大きくしたいと思い、ハートマークを一番多く持っていたプレイヤーはサイコロを振って、 
 その出目によってはゲームから脱落するというルールを付け加えました。
 ダイスは2種類で、1つには年齢、1つには職業を書きました。
 年齢には「50代」「40代」…「10代」などを書き、職業には「秘書」「銀座のママ」「芸能人」「既婚者」など書きました。
 つまり、ハートマークのお相手を決めるダイスです。
 ダイスを2個振って「30代」「秘書」などと決めるわけです。
 そして、「10代(未成年)」を振ったらゲームから脱落、「既婚者(不倫)」を振ったらゲームから脱落というルールを付け加えました。
 このルールで何回かテストしましたが、あまり公に出せる内容ではありませんでした……。
 そしてお蔵入りこの政治献金ゲームの最大の欠点は、自分で取るカードをコントロールできないところでした。 
 カードの半分は自分で選んで裏向きにして、スイス銀行に隠していくのですが、半分は他プレイヤーからもらうので、自分の思うようにならずストレスがたまるゲームとなっていました。
 ここを解決するためには、もともとのゲームの根幹であった、他のプレイヤーからいらないカードを押し付けられても「ありがとう」を言うルールの置き換えが必要であり、
 そこを解決できないまま、年月が過ぎていきました。
 再始動お蔵入りしたゲームというのは常に頭の片隅に残っており、きっかけがあるとすぐに頭のメイン領域にやってきます。 
 今回のきっかけは2020年11月22日のTweetでした。
 「来年のゲムマはしゃがもうと思ってたのですが、来年はさとーふぁみりあ設立10周年であることに気づき、何が何でも出店しようと心に決めた」
 そしたらSNEの安田社長が応援してくださいました。
 とてもうれしいことでした。
 と同時に「さぁもう後には引けない」と奮い立たされ、脳をフル回転させました。
 娘の習い事の終わりを待つ数時間の間、寒い公園で何十回、何百回と自問自答を繰り返しました。
 そして出てきたアイディアが、お金ではなく食べ物を取り合うテーマにすること。
 カードは人からもらうのではなく自分で取ること。
 イメージはネズミの家族が食べ物を取り合う感じにすること。
 ということでした。
 テストプレイ家で子どもたちとテストプレイをしたり、ボドゲカフェに赴いてテストプレイをお願いしたり、テストキットを送って遠くの友人にお願いしたりと、12月中はテストプレイに時間を費やしました。 
 コロナ禍でテストプレイしづらい時期ではありますが、様々な手段でテストプレイする機会を作りました。
 ユドナリウムなどを使ってオンラインテストプレイすることも考えましたが、今回はオンラインテストプレイはしませんでした。
 なぜなら、今回のゲームでは「わちゃわちゃ感」を大事にしたかったからです。
 オンラインではその「わちゃわちゃ感」を感じ取ることができないだろうと思いました。
 今回のゲームはバッティングゲームなのですが、欲しいカードを一斉に指差すという、あえてわちゃわちゃする感じにデザインしました。
 指差す腕が交差したり、指差すタイミングが遅いプレイヤーが現れる可能性もあるので、公正を期すためには投票用のチップなどを用意すべきなのでしょうが、
 今回はネズミの家族がテーマということもあり、わざとわちゃわちゃする感じを出そうと思いました。
 ディベロップ期間で一番調整したのが、ゲーム最後のポイント配分でした。
 最初は「1位の人は全員に1枚ずつ配る」というルールだったのですが、1位を取ったら絶対に負けてしまいます。
 1位をとっても突き抜ければ勝てるくらいのバランスにしたかったので、いろいろと悩みました。
 そして思いついたのが「両隣の人にランダムに引いてもらう」というルールでした。
 運要素が強くなりましたが、場の盛り上がりと、ご近所さんにお裾分けをするというテーマとの一致を優先して、このルールを採用しました。
 校正今回も説明書の校正はHoy Gamesの矢沢さんにお願いしました。 
 矢沢さんは単なる誤字脱字のチェックだけでなく、わかりやすさ、特に図やレイアウトなどを考慮してくださいます。
 校正よりも校閲に近い作業です。
 今回の校正で一番驚いたのは、「各プレイヤーが準備できたことを示すために「チュー」と掛け声をかけましょう」と提案いただいたことでした。
 たった一言ですが、このゲームの世界観を的確に表しています。
 矢沢さんには本当に感謝しています。
 そして、今回のゲームで悩んでいたのはタイトルでした。
 当初は『チューチューキャッチ』とか『ねずみの晩御飯』という開発名で呼んでいたのですが、なかなかしっくりこないので、twitterで募集することにしました。
 すると太陽皇子さんから「『いただきマウス』はどうでしょう」と提案をいただきました。
 これいいなぁと思ったのですが、検索性がちょっと低いのが問題でした。
 そこでRegulus Channelさんからいただいた『みんなで食べマウス』からヒントをもらい、
 最終的に『みんなでいただきマウス』というタイトルに決めました。
 最後に今回もたくさんの人に支えられてこのゲームができました。 
 このゲームの背中を押してくださった安田社長、何度も遊んでもらった227のスタッフの皆さん、いつも励ましてくれるリゴレの店長、遠隔でテストプレイをしてくださったナスケンさん、英語のタイトルを考えてくださったメイジーさん、タイトルを考えてくださった太陽皇子さん、Regulus Channelさん、印刷所のNikkiさん、校正の矢沢さん、素敵なアートワークを描いてくれたタカさん、そしてテストプレイに付き合ってくれた子どもたち。
 この場を借りてお礼を申し上げます。
 


