ボルドーの丘
ゲーム概要
このゲームは特徴的な5角形のタイルを使った、4色地図問題をベースとしたタイル配置ゲームです。複雑なタイル配置で高得点を狙ったり、連続手番を狙ったり、最大ブドウ畑のボーナスを狙ったり、
様々な手段で点数を稼ぐパズルチックなゲームです。

ゲーム情報
プレイ人数:1~5人
プレイ時間:30分前後
対象年齢:12歳以上
動画
デザイナーズノート
2025年7月22日
オインクゲームズ15周年を記念して開催された「オインクゲームズのボードゲーム15年展」を訪れ、図録を購入しました。懐かしい気持ちでページをめくっていると、ふと目に飛び込んできたのが『VOID』でした。
へんてこりんな形をしているのに、平面をぴったりと埋め尽くせる――。
『VOID』は「ゲームなのか展」が開催された時から知っているゲームでしたが、この“平面充填”できる不思議で美しい図形に、改めて強く心をつかまれました。
「これを、ちゃんとしたルールのあるゲームにして、世の中に出したい」。
そんな思いが、自然と湧き上がってきました。
ちょうどその頃、4色地図問題をゲームにできないかと考えていた時期でもあり、この特徴的な五角形タイルを使えば、きっと面白いゲームになるはずだと直感しました。
さっそく簡単なモックを作り、ゲームの骨格づくりをスタート。
当初のルールは「つながった辺の数に応じて得点が入る」「タイルを囲んだらもう一手番」というものでした。
また、タイルの色は『8ビットモックアップ』を意識して、オレンジ、緑、青、紫にしました。『8ビットモックアップ』ではオレンジが砂漠、緑が森、青が湖、紫が毒の沼ですが、このゲームでは紫に葡萄を当てることにして、葡萄畑を作っていくというテーマに決めました。

2025年8月18日
もしかしたらオインクさんからゲームを出してもらえるかもしれない。出してもらえなくても、『VOID』をベースとしたゲームを作るからには佐々木さんに仁義を通さないといけない。一度オインクさんの事務所に行ってみたい。そんな思いと完成したゲームを携えて、原宿のオインク事務所へ向かいました。
佐々木さんにプレゼンを行い、そのままテストプレイをすることになりました。
テストプレイ後、佐々木さんから「頂点に360度分のタイルが集まったら点が入るようにしたらどうかな。やってみましょう」という提案をいただき、その場で即席コンポーネントを作り、再びテストプレイ。
実際に遊んでみると、「あ、これいいじゃん!」という確かな手応えを得ました。
アイデアを思いついたらすぐに試してみる――そのスピード感に、ただただ驚かされました。
2025年9月
オインクさんから「オインクゲームズとしては、このゲームは販売しません」という回答をいただきました。一方で、「さとーふぁみりあ」として制作を続けることについては快諾いただくことができました。
残念な結果ですが、アートワークも含め自由にやって良いということなので、回答をもらってすぐに、たかみまことさんに連絡を取りました。たかみさんは、うちのゲームのアートワークを多く手掛けてくださっているデザイナーさんです。
ゲムマ2025秋向けの入稿が終わった1週間後くらいに、『ボルドーの丘』の作業をお願いしました。
2025年10月
このころは頻繁にテストプレイを重ねていました。ゲームマーケット前ではありますが、ゲムマ秋向けのゲームはそっちのけで『ボルドーの丘』です。当初は五角形タイルに加えて、ひし形タイルも存在していました。
しかし、五角形タイルそのものの面白さをもっと前面に出したいと考え、ひし形タイルを思い切って廃止することを決断。
タイルが五角形だけになったことで、供給方法も袋引きに変更し、ゲームのテンポもぐっと良くなりました。
また、当初ゲームの手番は「タイルを置く」か「建物を建てる」かの2択でした。
しかしテンポアップを狙い、「タイルを置き、条件を満たしたらそのまま建物を建てる」という1択構造へと大胆に変更しました。
また、「紫だけは繋げてよい」「最大ブドウ畑に関するボーナス」といった要素を追加。
ゲームの仕組みとテーマが、しっかり噛み合ってきた感覚がありました。

2025年10月下旬
ゲムマ2025秋に発売された『For the People』の、あまりにも強烈なイラストに感銘を受け、「この人に箱絵を描いてもらいたい!」と思いたちました。そこで、『For the People』のイラストを描かれたヤオシダさんにメールを送り、イラストを依頼しました。
ヤオシダさんには「おじさんを描いてください」という、ゲーマーならお約束のリクエストをしました。最初はご理解いただけなかったかもしれませんが、いろんなゲームの箱絵をお見せして、「いいゲームにはおじさんが登場するんです」と力説しました。
他のお仕事とのタイミングも合い、ヤオシダさんに箱絵を描いていただけることになりました。
2025年11月
私がコロナに罹患。療養期間中、高熱と倦怠感でベッドに寝ながら、このゲームの世界観を深めるためにボルドーの歴史を調べ、AIを使いながら小説を書きました。
完成した小説はヤオシダさんやたかみさんにも共有し、イラストのラフや世界観づくりの参考にしてもらいました。
11月終わりころにヤオシダさんから素晴らしいラフをいただけたので、小説を書いた甲斐がありました。

2025年12月
ぼーずさんに校正・校閲を依頼しました。ここで世界観が一気に固まります。建物は「ワイン貯蔵庫」という設定になり、「小麦畑はワイン畑の隣には存在しないから、オレンジ色は街にしよう」といった具体的な修正が次々と入っていきました。
いつもぼーずさんには感謝しています。
2026年1月
「同じ色が4枚そろうと場のタイルを流す」というルールがあるのですが、これが思った以上に高頻度で発生していました。テストプレイ中、デザイナー仲間のしまむうさんから「タイルに紋章をつけて、同じ色でも取りたくなる仕組みを用意してはどうですか」という提案をいただきました。
ぼーずさんと相談し、「頂点に紋章が含まれていたら“職人のワイン”が完成してボーナス点を得る」という要素を取り入れ、ゲームの達成感と物語性をもう一段階引き上げることができました。
毎回のことですが、ゲームは完成したと思ってから、どれだけもがくかによって完成度が上がると思っています。
2026年2月
箱絵が完成。いつもは箱絵をつくるのが終わりのタイミングなのですが、今回は初期段階で箱絵を作ってディベロップを進めてみました。これによって世界観が定まり、方針がブレることなくディベロップが進められたと思っています。
これもオインクさんのゲーム作りに影響を受けた部分です。
『ボルドーの丘』は、オインクさんの協力あってのゲームですので、佐々木さんにはとても感謝しています。
丁寧に開発したつもりですので、ぜひ『ボルドーの丘』を楽しんでください。
クレジット
ゲームデザイン:佐藤敏樹
デザイン協力:佐々木隼(オインクゲームズ)
イラストレーション:ユミ ヤオシダ
アートワーク:たかみまこと
校正・校閲:西田誠
英語翻訳:サイゴウ
参考にしたゲーム
VOID (オインクゲームズ):https://boardgamegeek.com/boardgame/255739/void
他サイトの情報
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