コロコロキッチンスクランブル
どんなゲーム?
キッチンの中は食べ物をめぐって大にぎわい︕
チーズを食べようとネズミがしのびこみ、そのネズミを捕まえようとネコがねらっています。
あなたたちはイヌとなり、このドタバタのおこぼれを上手にもらっていくことを目指します。
もらえたおこぼれが一番多かった人が優勝です。
ゲーム情報
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:20分前後
対象年齢:6歳以上
プレイ中の動画
クレジット
ゲームのルール
Comming Soon!デザイナーズノート
2023.08 『Oh No Volcano』との出会い
X(旧Twitter)で『Oh No Volcano』を見かけ、一目ぼれして即購入しました。このゲームはピンが打たれたボードを傾け、上から巨石に見立てた球を転がしてミープルを落とす物理アクションゲームです。
もちろんゲーム自体も最高に面白かったのですが、僕が何よりも衝撃を受けたのは「ボードを折りたたんで箱の中に美しく収納する構造」でした。
「この中箱サイズに、これだけのコンポーネントが収まるのか…!」と感動すると同時に、当時頭にあった思いが再燃しました。
「この構造なら、あの『キャンディアベリー』を収められるんじゃないか?」
https://boardgamegeek.com/boardgame/393488/oh-no-volcano
2023.10 ノスゲムさんへのラブコール
「キャンディアベリーを再販する予定はありませんか?」『キャンディアベリー』がどうしても欲しくて、ノスゲムさんへ直接熱烈な問い合わせを送りました。
結果として2025年に再販していただけることになるのですが、この時点ではまだ「共作」の話まではしていませんでした。ただ僕の心の中には「いつか一緒に作れたら絶対に面白そう」という強い思いがあり、ここから約2年間、その構想をじっくり温めることになります。
2025.05 物理ギミックの試行錯誤とEJPさんの技術
試作を重ねる中で「外箱の中に内箱を収め、その内箱同士を『アイスクール』のように連結することで大きな盤面を作る」アイデアにたどり着きました。一番の課題は「球が途中で止まらず、最後まで気持ちよく転がり続けるか」ということでした。箱の組み合わせの順序や厚紙の厚さ、箱の傾きの角度などを何度も検証しながらプロトタイプを調整していきました。
ピンの配置については『はちゃめちゃジェットコースター』を参考にし、「厚紙の裏からピンを差し込む方式」を採用することにしました。このピンの3Dプリント制作はEJPさんにお願いしました。
EJPさんから届いたパーツを組み上げた瞬間、頭の中にあった理想の部品が揃い、一気に開発が進みました。実際に球を転がした時に「ジャラジャラ転がる爽快感」は想像以上で、「これは絶対に面白くなる!」と確かな手応えを感じたのを覚えています。
2025.06〜08 初期テーマは「宝石が降る街」
このころは頻繁にテストプレイを実施しました。当時のテーマは「宝石が降る街」でした。
4種類ほどのビー玉を使用し、「どの種類の宝石を何個集めたか」を競うシンプルなゲームとして開発していました。
この時点では、まだネコもネズミも登場していませんでした。
2025.09 ボードゲーム大祭——運命の夜と朝
このゲームにとって最大の転機となった日です。僕はかなりドキドキしながらこの日を迎えました。もちろんゲームイベントのワクワクもあるのですが、今回の最大の目的はノスゲムさんへのプレゼンでした。このプロジェクトを進めるには『キャンディアベリー』を作られたノスゲムさんの力が必須だからです。
何度も試作品を作り直し、ルールを整理し、プレゼンの準備を完璧に整えて臨んだ大祭初日の夜。時の栖さんの広間で、ノスゲムさんが『キャンディアベリー』再販版の試遊をされているところへ突撃しました。
「ご提案があるのですが……」
持参した試作品を一緒に遊んでいただき「このゲームで、一緒に世界を目指しましょう」と熱い思いをお伝えしました。
するとノスゲムさんから「実は、いつかノスゲムのゲームを大量生産してみたいと思っていました」とのお返事が。
その場で、ノスゲムさんとさとーふぁみりあの共作プロジェクトとして動き出すことが決定しました。
2023年にラブコールを送ってから約2年。まさに夢の結実でした。
さらにドラマは続きます。
翌朝、ノスゲムさんから「昨日のあれから考えたのですが」と話を持ちかけられました。
一瞬「やっぱり辞めましょうってならないよね」と思っていたら、
「神聖な木から不思議な実が降ってくる、というテーマはどうでしょう? ラフも描いてみました」
昨晩プレゼンしたばかりなのに、もうラフまで…!その圧倒的なスピード感と熱量に感動しました。
テストプレイでの評判も非常に良く、しばらくはこの「神聖な木」のテーマで進めていくことになります。
2025.11 IELLO&Cocktail Gamesからのアイデア
ゲムマ2025秋の前日朝、海外パブリッシャーであるIELLOとCocktail Gamesの関係者の方々に試作品を触っていただく機会に恵まれました。ゲームの挙動や面白さにはとても良い反応をいただいたのですが、プレイ後に一言、こんな提案をいただきました。
「ネコとネズミの追いかけっこにしたらどうだろう?」
その瞬間、頭の中で一気にドタバタ劇のストーリーがつながりました。「それだ!!」と膝を打ち、その場でテーマの変更を即決。
ここから、現在の『コロコロキッチンスクランブル』の賑やかで可愛らしい世界観が誕生しました。
2026.05 テストプレイの日々
『コロコロキッチンスクランブル』のゲームシステムを完成させる上で、欠かせないキーパーソンが3人います。一人目は『スカウト』の梶野さん。
初期案では投球場所が4箇所ありました。しかし梶野さんから「選択肢が増えすぎると、面白さに直結しない無駄な迷いを生むだけ」というご指摘を受け、球を入れる場所を1か所に絞りました。また、この頃はチャンスボードではなく、カードを使っていたのですが、カードを使うことの違和感を指摘され、カードを使わずにイベントを予測する方式にたどり着きました。
二人目はジオゲームズの高橋さん。
中野のBoardwayさんにたまたま遊びに来ていた高橋さんとお会いした際、「端っこは一人しか予想できない仕様にした方がいい」と一瞬でご指摘をいただきました。
通常のコリントゲームなら中央に球が集まり、端は薄くなる(正規分布になる)はずです。しかし、盤面の幅が限られている本作では、本来ならもっと外側へ弾かれるはずだった球が壁に当たって一番端のマスに集約され、想定以上に球が溜まってしまう構造になっていました。高橋さんはその問題と解決策を瞬時に見抜いてくださったのです。
そして三人目がぴよらさん。
当初は人数によっては「球を流せないプレイヤー」が出てしまう仕様だったのですが、「自分が流せなかったら絶対泣いちゃう!」と力説され、全員が一人一回ずつ球を流せるルールに変更しました。
こうした素晴らしい方々の視点とアドバイスに支えられ、『コロコロキッチンスクランブル』は磨きがかかっていきました。
この場をお借りして、テストプレイに付き合ってくださった皆さんに感謝を申し上げます。
2026.07 そして、ついに完成
膨大なテストプレイと台湾の印刷所様(富綱さん)との細かな調整・試作を幾度となく繰り返してきました。このゲームは、ピン配置が重要なゲームです。ピンの位置が少し変わるだけで、球の流れ方や各ポケットへの入りやすさが変化します。
そのため、ピン配置を変更する->試作品を作る->球を何度も転がして結果を記録する->偏りがないか確認する->再び配置を見直すという作業を何度も繰り返しました。
また、富綱さんからも多くの提案をいただきました。
例えば棚部分の仕切りを安定して立てるための構造は、私から依頼したものではなく、富綱さん側で考案・設計していただいたものです。
こうした製造面からの工夫や提案によって、ゲームとしてだけでなく製品としても完成度を高めることができました。
校正は信頼のぼーずさんにお願いしました。作中の用語に関してはかんなさんからもアドバイスをいただき、完成度の高い説明書が完成しました。
そして2026年7月31日——すべてのデータの入稿が完了しました!!
色んな人の情熱やアイデア、技術、そして運命的な出会いが重なって生まれた『コロコロキッチンスクランブル』。
手前味噌ですが、最高にワクワクするゲームに仕上がりました。ぜひ皆さんも、この「コロコロ転がる楽しさ」を体験してみてください!

